歴史から学ぶデザイン!今も愛され続けてるデザインスタイル

現在のWebデザインの主流スタイルの1つに「フラットデザイン」というスタイルがありますが、源流を辿ると19世紀に発祥した『スイス・スタイル』や『バウハウス』がルーツとされています。

このようにデザインスタイルは0から生まれるだけではなく、過去に流行したスタイルが現代風にアレンジされ、リバイバルされ、取り入れられることも多いのです。

故きを温ね新しきを知る

デザインの表現力を広げるなら、自分の知識だけではなく、過去の事跡や先人の知恵に学ぶことで、現在を考えるということです。

ということで、今回はデザイン史をすべて取り上げることが難しいので、近年によく見かけるデザインスタイルをピックアップしてご紹介します!

アール・ヌーヴォー

出典元:アルフォンス・ミュシャ代表作のひとつ『夢想』(1898)(wikipedia

アール・ヌーヴォーとは、「新しい芸術(Art Nouveau)」を意味するフランス語で、19世紀末のヨーロッパを中心に生まれた芸術運動、またはその様式のことです。

有機的な曲線による植物などのモチーフや、細やかで優美な模様が特徴です。

建築や家具、絵画など、さまざまな分野の造形に取り入れられました。その中でも代表的な作品が『ミュシャ』によるポスター作品は、今も人気な作品です。「太い輪郭線」や「ナチュラルな色調」や「精密な描画」が特徴です。

「エレガントなデザイン」を表現する際に、上記のようなフレームデザインや装飾デザインを用いることがあるかと思いますが、アール・ヌーヴォー時代に生まれ、使われてきたスタイルの1つです。

ロシア・アヴァンギャルド

出典元:レンギス「あらゆる知についての書籍」/ロシアの出版社の広告, アレクサンドル・ロトチェンコ,(1924)

1890年代から1930年代にかけて興隆したロシアにおける一連の前衛芸術運動および運動を担った芸術家。その中で誕生した代表的な作品が上記の女性から吹き出しが出ているデザインです。

特徴的な色使いとシンプルな幾何学図形、文字数が少なく、ダイナミックなタイポグラフィを組み合わせたデザイン。

出典元:行くぜ、東北 2011(pinterest

少し前によく見かけた「行くぜ、東北。」のグラフィックデザインも、このロシア・アヴァンギャルドにインスパイアされて作られてたんじゃないかなと、個人的に感じました。

当時のロシア国民の識字率(文字の読み書きができる)はわずか18%と言われていました。そのため、文字より絵や図を中心としたグラフィックで訴えかけているデザインが特徴の1つです。

バウハウス

出典元:ヨースト・シュミット 1923年バウハウス展 ポスター/100 years of bauhaus

バウハウス(Bauhaus)は、1919年にドイツ中部の街に設立された『総合造形学校』です。

ここでは当時、気鋭な芸術家・専門家が教授を務め「芸術と技術の統合」というスローガンをもとに、美術、デザイン、工芸、建築といった、造形に関するさまざまな教育が行われ、庶民生活をより豊かにするためのデザインを目指していました。(当時の芸術や美術は、王侯貴族向けて作られることが多かった)

1933年にナチスの弾圧よって閉校されるまで、わずか14年という短い歴史でしたが、現在のデザイン・建築界に大変大きな影響を与えています。

現代までに、コンクリート製の建築物や、IKEAなどの普及品の家具のデザイン、ユーザーインタフェースのグリッドレイアウトやフラットデザインなど、多数の製品にバウハウスと同様の手法が使われて来ている。その他、ネット社会において、SNS等で多数投稿されている写真の自撮り・コラージュなども、バウハウスが起源となっている。テクノロジーの活用はメディアアートにも影響を与え、現代のデジタルコンテンツの制作手法の基礎にもなっている

引用:バウハウス(wikipedia)

機能美を追求したバウハウスのデザインは、現代でも色あせることなく、今でも新鮮さを感じさせます。一番身近なデザインでいうと、大人気フォント「Futura」も、バウハウスで非常勤講師をしていたパウル・レナーによるフォントで、様々な場面で使用されているバウハウスのデザインの代表例の1つです。

アール・デコ

出典元:Cassandre Adolphe Jean-Marie Mouronz (artwiki)

アールデコという名称は、フランス語で「装飾美術(Art Deco)」を意味します。アール・ヌーヴォーに代わり、1910年代半ばから1930年代にかけて欧米を中心に流行したムーブメントです。アール・デコは、シンプルで合理的な、幾何学図形をモチーフにした、くっきりとした直線、装飾的な流線型、記号的な表現などが特徴です。

スイス・スタイル

1920年代のロシア、オランダ、ドイツで発祥し、1950年代にスイスで発展したグラフィックデザインのスタイル。『国際タイポグラフィー様式』や『インターナショナルスタイル』とも呼ばれています。

グリッド・システムに基づく合理的なレイアウト、可読性の高いサンセリフ体のフォント、シンプルなカラーリングで構成されているのが特徴です。現代にはwebデザインの主流スタイル「フラットデザイン」にも大きく影響を与えている。

1950年代、国際タイポグラフィー様式の特徴を抽出したような、Univers(ユニバース)などのサンセリフ書体ファミリーが生まれた。Universは、マックス・ミーディンガー(英語版)とその共同制作者エドゥアルド・ホフマン (Edouard Hoffman) による設計であり、のちにHelvetica(ヘルベチカ) と名を変える書体、Neue Haas Grotesk(ノイエ・ハース・グロテスク) 誕生の道を示した書体である。

引用:国際タイポグラフィー様式(wikipedia

この時期に誕生した「Univers」や「Helvatica(Neue Haas Grotesk)」や、現在デザイナーに大人気の書体となっています。

サイケデリック

サイケデリックとは、幻覚剤によってもたらされる心理的感覚や様々な幻覚、極彩色のグルグルと渦巻くイメージ(またはペイズリー模様)によって特徴づけられる視覚・聴覚の感覚の形容表現です。『サイケ』と略される場合もあります。

1960-70年代のヒッピー文化と結びついて、当時のファッション、哲学、文学、文化のスタイルに影響を与え、その後10年程度、レコードジャケットやポスターのデザインカルチャーの流行に中心となりました。当時のレコードジャケットなど見てみると、サイケチックなデザインが本当にありふれています。

横尾 忠則

出典:「横尾 忠則」Google画像検索

1955〜1970年頃までグラフィック・デザイナー、イラストレーターとして活躍されていた「横尾忠則」さん(その後画家に転身)。

デザイナーとして活躍していた際に制作された作品は、当時の手法では新しい「コラージュ」や「特徴的な色彩」や「構図」「シンメトリーなレイアウト」など唯一無二の表現作品でした。

半世紀前に制作されたグラフィックデザインですが、現代でも通用するような新しさや奇抜さを感じるデザインが多く、面白いデザインや、ちょっとぶっ飛んだデザインを作りたい方は、参考にされている方は多いかと思います!

出典:(左)放課後カルピス特設サイト(右)越のゆグループ 新卒採用サイト

Webデザインだけではなく、映像作品にも影響しており、最近では「水曜日のダウンタウン」のオープンニング映像やキービジュアルや、特設サイト、求人サイトなど、横尾忠則風レイアウトデザインを使われているのを見かけました。

メンフィス

1981年にイタリアの建築家が中心となり結成されたデザイナー集団の名称。家具や建築に多大な影響を及ぼした。幾何学な図形とライン、そしてこのビビットな配色が特徴的。現代では家具だけではなく、webやグラフィックなどで、パターンやイラストとして使われている。

上記の参考画像のように「カラフルな配色で、三角・丸・四角などを図形がランダムに散らばったパターン」を背景や装飾に使ったデザインは「メンフィス」がルーツとなっています。

ヴェイパーウェイブ

ヴェイパーウェイヴ(Vaporwave)は、2010年代初頭にWeb上の音楽コミュニティから生まれた音楽ジャンルが元ネタ。

80年代の大量消費社会を想起させる音や過去の楽曲を使用することから、80年代に流行モノをコラージュしたグラフィック、ビビッドなカラーリングなどが特長。

古いWindowsPCのUIや、石膏像の切り抜き、サンセットなどの表現がよく用いられるのが特徴です。

まとめ

上記であげたデザインスタイルは、名前を聞いたことはなくても、どこか見覚えがあったり、現代用にアレンジされて使われているデザインをみたことがあったのではないでしょうか?
歴史や特徴、背景を学ぶことで、意図的にそれらを使ったスタイルでデザインを作り出せるようになると、表現力がが高まりますし、今後のデザイントレンドの移り変わりにも敏感になり、視野や視座が広がるんじゃないかなと思います!

今回は、それぞれの本当に一部しか書いていないので、興味がある時代やスタイルがあったら、深堀りして調べてみると良いかもしれません!

参考文献

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