プロデザイナーがよく使う!定番の日本語フォント

日本語フォントだけでも無数にあり、どれを使って良いかフォントを選ぶのだけでも一苦労ですよね!

今回は、プロの現場でよく使われており、町中の広告デザイン、Webデザインなどでも多く使われている定番の日本語フォントをご紹介します。

初心者デザイナーさんで「どのフォントを使えば良いかわからない」「どのフォントから覚えていけば良いかわからない」という方は、今回紹介する定番フォントから覚えて使ってみると良いかもしれません!

プロも使う定番フォントなため、半数が有料フォントになります。一部のフォントでは、Adobe FontsやGoogle Fontsから使用できるフォントもありますので、一緒にリンク先を掲載するので、気になったフォントがあったら使ってみてください。

定番の日本語フォント:ゴシック体

ヒラギノ角ゴ

macOSやiOSには標準で搭載されています。Webデザインのシステムフォントには「ヒラギノ角ゴ」が使われているのが、多いですね。

オーソドックスな骨格と、画線両端のアクセントにより、可読性と存在感を両立させた”ド定番”で汎用性が高いゴシック体。

游ゴシック

游ゴシックは、WindowsOS、macOSに標準で搭載されるようになりました。そのため、MacとWindowsで共通のシステムフォントが使えるということで、最近ではWebデザインのテキストフォントを「游ゴシック」を指定しているサイトを多く見かけるようになってきました。

私自身もよく使っているのですが、漢字のはらいはねなどがやや狭くしていることで、文字のシルエットがモダンな印象で、デザインで使うことでスタイリッシュ/スマートな印象になります。游ゴシックは神!

「游ゴシック体」は、長文でも読みやすいスタンダードなゴシック体ファミリーです。 字面を小さめに設計し文字間にゆとりを持たせることで、小サイズで組んでも文字同士が干渉せず、一字一字の識別性に優れた、読みやすい組版を実現します。

モリサワ公式サイトより

ゴシックMB101

タイトルや見出に使われることが多く、人気の非常に高いです。とりあえずゴシック体で悩んだら「ゴシックMB101を使っちゃえ」と言いたくなっちゃうぐらい素晴らしいフォントです。

「ゴシックMB101」は、ハネやハライの先端まで力強さと流れを感じさせるエレメントは、親しみやすく信頼感があります。タイトルやコピーに向く太いウエイトは、肉声をイメージさせる骨太な表情で定評があり、細いウエイトは雑誌などの本文組みから中見出しといった幅広い用途に対応し、実力を発揮します。

モリサワ公式サイトより

現在1ウェイトしか使うことができませんが、Adobe fontsでアクティベートすることが可能です。

Adobe Fonts:ゴシックMB101

新ゴ

「新ゴ」はよく町中で使われているのを見かけることがとっても多いです。駅や高速道路の案内表示など、交通機関系での使用さているので、見覚えがある方が多いかと思います。

使用されている場所から連想するに、遠くから見ても読みやすい・わかりやすい文字になっているのが特徴的で、とってもインパクトがあるフォントです。

「新ゴ」は、システマチックな雰囲気をもつ現代的なゴシック体です。装飾のない均質で明るいデザインは、文字ツメ処理なしに、タテ・ヨコ組ともラインや黒みの揃った美しい組みを実現します。スマートで洗練されたイメージは、あらゆるグラフィックデザイン、広告などの用途に最適です。

モリサワ公式サイトより

UD版(ユニバーサルデザインの略、新ゴをベースに読みやすさを改良したバージョン)ですが、1ウェイト分を使うことができませんが、Adobe fontsでアクティベートすることが可能です。

Adobe Fonts:UD新ゴ Pr6N

AXIS

デザイン誌「AXIS」のオリジナルフォントとして開発されたAXIS Font。

シンプルながら王道フォントなので、とっても使いやすく汎用性が非常に高いです。ウェイトも数多く揃っており、UL(ウルトラライト)という、他のフォントでは見かけない細さのファミリーがあります。

AXIS Fontの特徴はシンプルで風通しのよいデザインにあり、混植した時に効果を発揮するバランスのとれた設計となっています。白地が活きる字面率の設定により、すっきりした文字の表情をデザインしました。

https://typeproject.com/fonts/axisfont

見出ゴMB31

「見出ゴMB31」は伝統的で落ち着きのある見出し用ゴシック体です。始筆にアクセントをもったオーソドックスなデザインが使いやすく、適度な黒みと、漢字とかなの対比が自然に視線を導きます。

モリサワ公式サイトより

こぶりなゴシック

字面が小さめで、柔らかくて優しいけどスマートさも持ち合わせてる印象のフォントです。ゴシックながら丸ゴシックのような柔らかい可愛さをもつので、「丸ゴシック使うと可愛くなりすぎるけど、優しいゴシックフォントを使いたい」という場合にだいたい「こぶりなゴシック」を使います。

「字面が小さめで、ふつうで素直なかたちを持ち、詰め組みしたときも美しい、やわらかな印象の書体」を目指して開発されました。書体名は、小振りな、ちょっと小さいという文字の特徴そのものから取られました。

モリサワ公式サイトより

中ゴシックBBB

テキストテキストキストテキストキス中ゴシックBBB」は、基本的な書体として長く愛されてきた伝統的なゴシック体です。オーソドックスな字形に、アクセントのあるエレメントをもち、文字の大きさは全角に対してやや小さめなので、可読性と安定感がよく、読ませる用途に向いています。

モリサワ公式サイトより

A1ゴシック

2017年頃に登場したフォントですが、最近では「A1ゴシック」はいたるところで見かける大人気フォントになりました。

文字が交差しているとこが溶けたような、墨だまりのような面白い表現になっています。あわせて文字の角に丸角処理がされているので、ゴシックながらとっても優しく温もりがあるフォントです!

A1明朝の基本となる骨格を参照して作成された、オールドスタイルのゴシック体ファミリーです。線画の交差部分の墨だまり表現や、エレメントの端々に僅かな角丸処理を加えることで、温もりのあるデザインに仕上げています。 LからBまで4つのウエイトで展開されています。

モリサワ公式サイトより

Noto Sans

GoogleがAdobeと共同開発したフォントです。Google Fontsから使うことができるので、WebデザインのWebフォントとして使われています。

Google Fonts:Noto Sans Japanese

定番の日本語フォント:明朝体

ヒラギノ明朝

ヒラギノ角ゴシックと同様、macOSでは標準で搭載しているフォントになります。

ヒラギノ公式にも記載されているようにクールでスマートなベーシック書体なので、良い意味でクセが無いので、明朝体を選ぶなら「まずはヒラギノ明朝で組んでみよう」と初めはヒラギノ明朝で作り始めてみることが多いです。

ヒラギノフォントは、画像を多用するビジュアル雑誌への使用を主ターゲットとして開発された書体です。日本におけるモダンなタイプフェイススタイルの流れの中で、ヒラギノシリーズは、オーソドックスでベーシックな雰囲気を保ちつつ、明るくシャープであり、かつ現代的でクールなイメージをデザイン要素として加味しています。息の長い書体として長く使われることをめざし、細部に至るまで完成度にこだわっています。

SCREEN ヒラギノフォント総合情報サイトより

游明朝体

文庫などの小説などで使われることを目的に開発されたフォントなので、本文などで使用することに向いています。

「游明朝体」はWebサイトのデバイスフォントとして指定しているサイトも多く、デバイスでの本文の文字にも最適。個人的には、現代的でシャープでかっこいい印象をもっているフォントです。

游明朝体ファミリーは「時代小説が組めるような明朝体」をキーワードに、単行本や文庫などで小説を組むことを目的に開発した游明朝体 Rを核とした明朝体ファミリーです。

文字の大きさの揃った現代的な明るい漢字と、伝統的な字形を生かしたスタンダードな仮名の組み合わせは、これまでの明朝体とは違う、游明朝体の大きな特徴です。

字游工房より

秀英明朝

サイズによって様々な顔を見せてくれる「秀英明朝」。フォントの開発元の前身である「秀英舎」の活字書体を100年以上にわたって引継ぎ、開発を行ってきた伝統的な書体。

「秀英明朝」は、書籍の作り手と読者の双方から高い評価を得てきた本文用書体で、秀英体独特の連綿を持ち、目に優しい黒みを備えつつ、明るく整った落ち着いた雰囲気の組みができるのが特長です。

モリサワ公式サイトより

見出ミンMA31

「見出ミンMA31」は、重厚さと風格を備えた伝統的な見出明朝体です。確かな太みと存在感をもつ漢字に対して、かなはやや細めに設計されており、漢字とかなの対比によって可読性の高さを引き出しています。

モリサワ公式サイトより

A1明朝

みんな大好き「A1明朝」!自分の周りのデザイナーもよく使っているのを見かけるぐらい、定番のオールドスタイルの明朝体フォントです。

「A1ゴシック」と同じように画線の交差部分にインクが溜まってしまったような『墨溜まり』の表現がされています。この墨溜まりが「やわらかい印象」や「温かみのあるレトロな印象」を醸し出してくる雰囲気は「A1明朝」ぐらいしかないと思っています。

「A1明朝」は、モリサワ最初期から長く愛されているオールドスタイルの明朝体です。漢字のゆったりとしたカーブと、かなの優美な表情が生み出す独特の味わいが特徴です。デジタル書体化にあたって、画線の交差部分に写植特有の墨だまりを再現するなどし、やわらかな印象と自然な温かみを感じさせる新しい書体として生まれ変わりました。

モリサワ公式サイトより

リュウミン

個人的に明朝体フォントの中で1番使っている「リュウミン」です!

もちろん世の中的にもよく使われており、町中のポスターを見るといたるところで見かけるぐらいスタンダードの明朝体フォントです。

文字のハネやハライがキリッとキレを感じ、カーブがとても美しくバランスが抜群に良いです。かっこいい・・。

デザイナー初心者の方で、明朝体のフォント選定で迷われてる場合はまずは「リュウミン」を使ってみてはいかがでしょうか?

「リュウミン」は、その名の元となった森川龍文堂明朝体をベースに開発した、スタンダードな明朝体です。金属活字に由来する彫刻刀の冴えを、左右のハライや点の形に活かしながらも、縦画・横画の先端やウロコにはやわらかさをもたせており、親しみやすい雰囲気になっています。

モリサワ公式サイトより

AdobeCCユーザーでしたら、1ウェイトだけ使用することが可能です。

Adobe Fonts:A-OTF リュウミン Pr6N

筑紫明朝(つくしみんちょう)

一般的な明朝体と比べると、フトコロ(文字の中の空間)が狭いように感じ、オールドでレトロな印象を感じます。

誰にでも読みやすく、上品さや優しやを感じる明朝体「筑紫明朝」。

本格的な長文本文用明朝体として、活字、写植時代の本質を踏襲し、明朝体とはどうあるべきかを最大限に考慮した書体です。オフセット印刷においても活字のようなインクの溜まりが見えてくるような独特な雰囲気を持っています。フトコロの広い漢字・仮名の明朝体とは一線を画し、文字そのものが内在する空間の強弱と線質が持つ伸びやかさを残しています。文字を組んだとき、リズミカルな心地よい可読性を醸し出します

Fontworks公式サイトより

AdobeCCユーザーでしたら、1ウェイトだけ使用することが可能です。

Adobe Fonts:筑紫明朝

マティス

マティスのEBウェイトは、“エヴァ明朝” や“エヴァフォント”と愛称でファンの間では呼ばれていたフォントで、エヴァンゲリオンのオープニングタイトルなどで使われていたので、見覚えある方もいるかと思います。

ウェイトによって全然印象が変わってくるフォントで、細いウェイトだとシャープな印象ですが、太いウェイトで使用することで、重厚感やインパクトなど印象を出すことができるフォントです。

ベーシックな部分を大切にしたデザインの中にも、古さを感じさせないシャープさと柔らかで優しい曲線の表情を合わせ持った明朝体です。「漢字」と「かな」のバランスが良く、文字組みしたときに最大限の読みやすさを発揮します。

Fontplus公式サイトより

AdobeCCユーザーでしたら、1ウェイトだけ使用することが可能です。

Adobe Fonts:FOT-マティス ProN

貂明朝(てんみんちょう)

「貂明朝」のコンセプトは“可愛くて妖しい”だという。具体的には“鳥獣戯画”や“画図百鬼夜行”のような、日本の伝統的なイメージが入り混じっているフォントを目指したとのこと。

Adobeの新フォント「貂明朝(てんみんちょう)」発表会レポート ~同社オリジナルの“可愛くも妖しい明朝”

Adobeオリジナル書体。全体的にまるっこい・もったりしておりクセが強いフォントですが、それが良いアクセントになってかわいい明朝フォントです。

個人的に貂明朝の「ひらがな」が丸っこくて可愛くてとっても好きです。タイトルのデザインでも「貂明朝」ベタ打ちして使うだけで良い味がでるので、オススメです!

貂明朝は新しいアドビオリジナルの和文書体です。西塚涼子によるデザインで、広告、本のタイトル、見出しなど、広汎な用途にお使いいただけます。 明朝体の伝統に沿っていますが、線は若干太めで丸みを帯びており、字画のアキは小さめです。

Adobe fontsサイトより

Adobe CCユーザーでしたら、アクティベートして使用することができます。

Adobe Fonts:貂明朝

はんなり明朝

フリーフォントの「はんなり明朝」。フリーフォントなのにこんなにクオリティが高くて良いのか、と不思議に思うぐらいよい明朝フォントです。

文字の曲線が柔らかく、ふんわりとした雰囲気の明朝体です。自分のまわりのデザイナーでもですが、デザイナーの間でとても人気があります。商用利用もできるので、さまざまなポスターやバナーなどでも多く見かけます。神フリーフォント!

はんなり明朝は築地体を参考に「やさしさとしなやかさを併せ持った、どこか懐かしさのある文字」をコンセプトに制作しました。「はんなり」という言葉どおり、落ち着いているけれど、文字を組むと線の強弱や墨だまりでリズムを感じられる…上品と陽気が相容れるような、そんな書体です。

フォント「はんなり明朝」をリニューアルしてみた

ダウンロード:日本語フォント「はんなり明朝」

さいごに

今回ご紹介したフォントはどれもプロのデザイナーがよく使っている定番フォントになります。

フォント1つで印象が大きく変わってくるので、「シチュエーション」や「目的」や「デザイントーン」に合わせたフォント選びがとっても大切になってきます。

定番フォントではなくても、フォントを知っておくことでデザインの幅がグッと広がります。もっとフォントを知りたい方は「目的で探すフォント見本帳」の本はとってもおすすめです。

デザイン会社で働いてるデザイナーの方でしたら、サブスク制(や年間契約)で上記フォントが自由に使える「モリサワパスポート」や「フォントワークス LETS」など契約されている会社が多いかと思うので、使いまくりましょう!

個人で勉強されている方でフォントを持っていない方は、上記で紹介したようなフォントが入っている買い切りのフォントパックなどもフォントメーカーごとに販売されいるので、検討してみても良いかもしれません。

欧文フォントの定番フォントはこちらで紹介しているので、合わせて参考にしてもらうと嬉しいです。

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